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外国人雇用のターゲットとなる4つの主なビザ(在留資格)・許可

ビザ・許可ごとの人財の特徴・傾向 / 任せられる業務 / 給与水準 / 人財の募集方法

どのビザ(在留資格)を有している外国人を雇用すればいいのか?

外国人を雇用する際には様々な疑問や悩みが生じるものです。

その中でも「そもそもどの在留資格(ビザ)を持っている外国人を雇うべきなのか?」という疑問を多くの事業者の方が抱いているようです。

このページではそのような雇用主の方々の抱える疑問に答えるべく、外国人雇用の際に主なターゲットとして推奨される4つの在留資格等とそれらの特徴について解説致します。

雇用のターゲットにすべき4つの在留資格等

まず結論から申し上げると、外国人の方を雇用する際にターゲットとなるメジャーな在留資格(または許可)は、次の4つになります。

以下、この4つの在留資格の詳細について解説していきます。

「技術・人文知識・国際業務」

「技術・人文知識・国際業務」レーダーチャート

「技術・人文知識・国際業務」とは、大まかなイメージで言えば、いわゆるホワイトカラーの仕事に従事することができる在留資格です。「技術・人文知識・国際業務」のそれぞれの頭文字を取って、「技人国(ぎじんこく)」と呼ばれることが多いです。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有している外国人は、次のような活動に従事することが可能です。

理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動

引用:出入国管理及び難民認定法

上記のレーダーチャートは、在留資格・許可制度の特徴や在留資格・許可を得るための要件等から当事務所が独自に算出したデータによるものであり、実際の人財は必ずしもこの特徴・傾向に該当するとは限りません。有している在留資格・許可の種類のみによって人財の人間性等を判断せずに一人一人とよく会話をし向き合わなければ、その人の本来の良さはわからないということに留意する必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」人財の特徴

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人財は、将来の幹部候補としても通用する優秀な働きを見せてくれる方が多いことが予想されます。

というのも、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得るためには、次のいずれか(または複数)の要件を満たしている必要があるからです。

  • 学歴要件
    従事する業務に関連する科目を専攻して大学を卒業し、または大学と同等以上の教育を受けていること
  • 実務経験要件
    3年または10年以上の実務経験を有していること
  • 業務内容要件
    翻訳、通訳、語学の指導、海外に向けての広報活動、海外取引業務等に従事すること
  • 試験合格・資格取得要件
    法務大臣によって指定されている情報処理技術に関する試験に合格しまたは資格を取得していること

このように、業務に役立つバックグラウンド(学歴や実務経験)を有していたり、試験・資格をパスしていたりする優秀な方が取得するのが「技術・人文知識・国際業務」の在留資格です。

上記の要件を全て満たす必要はなく、いずれか1つ(場合によっては複数)の要件を満たしていれば問題ありません。よって業務内容要件も必ず満足しなければならないわけではないので、業務内容要件に列挙している業務内容以外でも「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得申請をすることは可能です。

任せることができる業務の内容

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人には、いわゆる単純労働以外の、外国人自身の学歴や業務経験、外国人としての完成等を活かした仕事を任せることができます。

任せることができる業務の例

  • 機械や建築物の設計
  • 事業の海外展開に向けたマーケティング活動
  • 海外からの宿泊客が多いホテルにおける受付・コンシェルジュ
  • 翻訳・通訳
  • 服飾デザイン

× 任せることができない業務の例

  • 旅館における配膳作業等の単純労働とみなされる業務
  • 配達員としての業務
  • ファミリーレストランでの接客業務
  • 工場におけるライン工業務
  • スーパーマーケットでのレジ打ち・品出し業務

ちなみに…

例えば、外国人宿泊客が多いホテルでコンシェルジュとして働いている場合でも、あくまでもメイン業務に付随する程度であれば、宿泊客の荷物を部屋まで運んだり、電話対応をしたりすることも可能とされることもあります。

給与額

「技術・人文知識・国際業務」ビザを有する外国人を雇用した際に支払う給与は、日本人が従事する場合に受ける給与と同等額以上でなくてはいけません。

これは法務省令(通称『上陸許可基準』)にて規定されている明確なルールです。

関連記事:在留資格該当性・上陸許可基準適合性とは?

在留期間

「技術・人文知識・国際業務」ビザで日本に滞在することが可能な期間は、5年、3年、1年または3か月です(ビザが与えられるときまたはビザを延長するときに、いずれかの滞在期間が付与されます)。

なお、「技術・人文知識・国際業務」ビザは、在留期間更新許可申請をすることで延長が可能なので、外国人の方と雇用者との相性が良ければ長く勤めてもらうことも可能です。

関連記事:在留期間更新許可申請

「技術・人文知識・国際業務」人財の探し方

「技術・人文知識・国際業務」人財を探す方法には、次のようなものがあります。

  1. 知人からの紹介
  2. 自社ウェブサイトでの募集
  3. 大学の就職課での求人掲載
  4. 外国人専門の求人サイトへの登録
  5. 外国人アルバイトの社員登用

上記のいずれの方法も、それぞれメリットがあればデメリットもあります。

1と2(場合によっては3も)は、基本的には自社と被雇用者との間に業者等が介入しないため、採用コストが抑えられる傾向にあります。

しかしながら、1については知人からの紹介であるから一度話を始めてしまうと入社を断りにくくなってしまうこともある、2については自社ウェブサイトへのアクセス数が少ないとそもそも募集が集まらない等といったデメリットがあります。

対して、4については求人サイトへの登録料や雇用決定時の仲介料等が発生しますが、雇用候補者が多く登録しており、なおかつ個々人の経歴等を細部まで確認できるといったメリットがあります。

5については、既に外国人をアルバイトとして雇用している場合には即戦力として社員登用できますが、多くの場合は社員登用に当たり「技術・人文知識・国際業務」へのビザ変更手続のサポートを自社で行う必要が生じることが予想されます。

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「特定技能」

「特定技能」レーダー

「特定技能」とは、2019年4月から新たに導入されたビザ(在留資格)です。

このビザを有している外国人は、通常であれば単純労働とみなされて外国人が就労活動を行うことができない次の14の特定産業分野において特別に就労活動を行うことができます

  • 介護分野
  • ビルクリーニング分野
  • 素形材産業分野
  • 産業機械製造業分野
  • 電気・電子情報関係産業分野
  • 建設分野
  • 造船・舶用工業分野
  • 自動車整備分野
  • 航空分野
  • 宿泊分野
  • 農業分野
  • 漁業分野
  • 飲食料品製造業分野
  • 外食産業分野

上記のレーダーチャートは、在留資格・許可制度の特徴や在留資格・許可を得るための要件等から当事務所が独自に算出したデータによるものであり、実際の人財は必ずしもこの特徴・傾向に該当するとは限りません。有している在留資格・許可の種類のみによって人財の人間性等を判断せずに一人一人とよく会話をし向き合わなければ、その人の本来の良さはわからないということに留意する必要があります。

「特定技能」人財の特徴

「特定技能」ビザを有する外国人は、上記14の特定産業分野の内、いずれかの特定産業分野での業務について相当程度の知識や経験を有しており、雇用後の比較的早期に戦力として活躍してもらえる可能性が高いと思われます。

これは、「特定技能」ビザを取得するためには、次の要件を満たしている必要があるからです。

従事しようとする業務に必要な熟練した技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること。

引用:出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令

なお、「特定技能」ビザの取得のために合格する必要があるテストは、日本語テストと各分野独自のテストの計2つです。テストの概要については下記ウェブサイトにて確認することができます。

参考ページ:出入国在留管理庁『特定技能に関する試験情報』

任せることができる業務の内容

上述した通り、「特定技能」ビザを有している外国人は14の特定産業分野で就労活動をすることができますが、それらの特定産業分野の企業におけるあらゆる業務を任せることができるわけではありません

上述した各特定産業分野独自のテストは、従事する業務区分ごとにさらに細分化されます。「特定技能」ビザを有する外国人は、自身が合格したこの業務区分ごとにさらに細分化されたテストに係る業務のみに従事することができます

各特定産業分野における従事する業務の内容は、次の通りです(分野名をクリックすると詳細が表示されます)

介護分野

  • 身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)

ビルクリーニング分野

  • 建築物内部の清掃

素形材産業分野

  • 鋳造
  • 鍛造
  • ダイカスト
  • 機械加工
  • 金属プレス加工
  • 工場板金
  • めっき
  • アルミニウム陽極酸化処理
  • 仕上げ
  • 機械検査
  • 機械保全
  • 塗装
  • 溶接

産業機械製造業分野

  • 鋳造
  • 鍛造
  • ダイカスト
  • 機械加工
  • 塗装
  • 鉄工
  • 電子機器組立て
  • 電気機器組立て
  • プリント配線板製造
  • プラスチック成形
  • 金属プレス加工
  • 溶接
  • 工場板金
  • めっき
  • 仕上げ
  • 機械検査
  • 機械保全
  • 工業包装

電気・電子情報関係産業分野

  • 機械加工
  • 金属プレス加工
  • 工場板金
  • めっき
  • 仕上げ
  • 機械保全
  • 電子機器組立て
  • 電気機器組立て
  • プリント配線板製造
  • プラスチック成形
  • 塗装
  • 溶接
  • 工業包装

建設分野

  • 型枠施工
  • 左官
  • コンクリート圧送
  • トンネル推進工
  • 建設機械施工
  • 土工
  • 屋根ふき
  • 電気通信
  • 鉄筋施工
  • 鉄筋継手
  • 内装仕上げ/表装

造船・舶用工業分野

  • 溶接
  • 塗装
  • 鉄工
  • 仕上げ
  • 機械加工
  • 電気機器組立て

自動車整備分野

  • 自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備

航空分野

  • 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)
  • 航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)

宿泊分野

  • フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供

農業分野

  • 耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
  • 畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)

漁業分野

  • 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)

飲食料品製造業分野

  • 飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生

外食産業分野

  • 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)

給与額

「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合と同様、日本人が従事する場合に受ける給与と同等額以上でなくてはいけません。

これは法務省令にて規定されている明確なルールです。

在留期間

「特定技能」ビザには、詳細に言えば「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類が存在します。

「特定技能1号」ビザで日本に滞在することが可能な期間は、1年、6か月または4か月です(ビザが与えられるときまたはビザを延長するときに、いずれかの滞在期間が付与されます)。

なお、「特定技能1号」ビザは、在留期間更新許可申請をすることで在留期間の延長が可能ですが、最長でも通算して5年までしか延長することができません。

「特定技能1号」ビザで5年滞在した後も引続き日本に滞在したい場合は、「特定技能2号」ビザに変更をすれば、通算期間の上限なく日本に滞在できるようになります。ただし、「特定技能2号」へとビザの変更をするためには、「特定技能1号」ビザで就労している間に監督者としての実務経験を積む必要があります。

関連記事:在留期間更新許可申請

「特定技能」人財の探し方

「特定技能」人財を探す方法には、下記のようなものがあります。

  1. 知人からの紹介
  2. 自社ウェブサイトでの募集
  3. 大学の就職課での求人掲載
  4. 外国人専門の求人サイトへの登録
  5. 外国人アルバイトの社員登用
  6. 海外の送出し機関からの紹介

1~5については、「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合と同じものです。

6の送出し機関とは、海外在住の技能実習生(「技能実習」ビザを取得して、日本の企業等で技術等を学ぶために来日する外国人のこと)を日本に呼び寄せる際に活躍する機関のことです。技能実習生を呼び寄せる際にはこの送出し機関を通して現地外国人を呼び寄せる必要があるのに対し、「特定技能」ビザにおいては送出し機関を通す必要はありません。

しかしながら、送出し機関は「特定技能」の場合にも平たく言えば現地の採用パートナーとして活躍してくれるので、送出し機関を活用することにより採用活動が円滑に進むことが期待されます。送出し機関を通して「特定技能」ビザの外国人を採用する場合、仲介手数料が必要になることが一般的です。

支援計画の義務について

「特定技能」ビザを有する外国人を雇用する企業等には、支援計画を実行する義務が課せられます。

支援計画とは、簡単に言えば「特定技能」ビザを有する従業員の日本での生活の全面的なサポートのことです。これには、空港での外国人の送迎、預金口座の開設や携帯電話の契約等の手伝い、日本語教育、日本人との交流を促進する機会の提供等が含まれます。

「特定技能」ビザで外国人を雇用する際には、このような支援をするための手間や費用が必要になるということに留意しなければなりません。

なお、支援計画は、登録支援機関と呼ばれる出入国在留管理庁から登録を受けた団体・個人に外注することも可能ですが、この場合もそれなりの費用が掛かります(登録支援機関に依頼した場合は、外国人1人当たりおよそ2~3万円/月の費用が必要となるとのことです)。

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資格外活動

資格外活動レーダー

資格外活動許可を受けた外国人については、上述した「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」ビザを有する外国人とは少々毛色が異なります。

資格外活動許可とは、平たく言えば現在有している在留資格では従事することが許されていない活動によって給与・報酬を得るために受ける許可のことです。

資格外活動許可を受けているのは、主に日本で学業に励んでいる留学生の方々です。近年、コンビニで働いている外国人の方を見かけることが多くなりました。このような方々の多くは、資格外活動許可を得ることにより大学に通いながらアルバイトをしている外国人です。

このような背景があるので、このページでは資格外活動許可を受けた留学生を想定して解説をしていきます。

関連記事:資格外活動許可申請

上記のレーダーチャートは、在留資格・許可制度の特徴や在留資格・許可を得るための要件等から当事務所が独自に算出したデータによるものであり、実際の人財は必ずしもこの特徴・傾向に該当するとは限りません。有している在留資格・許可の種類のみによって人財の人間性等を判断せずに一人一人とよく会話をし向き合わなければ、その人の本来の良さはわからないということに留意する必要があります。

資格外活動許可を受けた人財の特徴

第一に挙げられる特徴として、資格外活動許可を受けた留学生は、基本的には週に28時間(長期休暇中は1日8時間)までしか就労活動を行うことができません

加えて、彼らはあくまでも留学生、つまりは「留学」ビザを有して日本に滞在している外国人なので、学業に励む必要があります(少し専門的な言い方をすると「在留資格該当性を満たす必要」があります)。

このことより、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」ビザの場合とは異なり、基本的には在学中は正社員として雇用することはできないと考えた方がいいでしょう。

任せることができる業務の内容

留学生が資格外活動許可の申請をする場合、基本的には単純労働に従事することも可能なものとして許可が下ります。そのためコンビニ等でもアルバイトができるのです。

ただし、単純労働が許されるからと言ってどのような内容の業務でも許されるわけではありません。

例えば、次のような業務内容に従事することは禁止されています。

  • キャバクラ、スナック、店内が暗い(10ルクス以下)の喫茶店やバーでのアルバイト
  • 性風俗店での顧客接待
  • わいせつ映像の配信

直接顧客接待を行わない場合でも、上記のような店舗・営業所で働くこと自体が禁止されているので、注意が必要です。例えば、業務内容がお客さんのいない閉店後のパチンコ店で掃除をするだけだとしても、パチンコ店という場所で働くこと自体が禁止対象となっていることに留意しなければなりません。

給与額

給与額に関する規定は特にはありません。

ただし、給与を過度に高くしてしまうと、上述した週28時間の制限を超えて就労活動に従事しているとのあらぬ疑いが掛けられてしまう可能性も無くはないので、注意した方がいいでしょう。

在留期間

在留期間は資格外活動許可を受けた外国人が有するビザ(在留資格)によって異なるので、採用対象の外国人に直接確認する必要があります。

資格外活動許可を受けた人財の探し方

雇用対象が留学生になるので人財探しが難しいと思われるかもしれませんが、基本的には日本人のアルバイトを探すときと方法は変わりません。

  • アルバイト向けの求人誌に求人を掲載する(求人情報に「外国人も可」等の文言を入れる事業者もいるようです)
  • 大学等でアルバイト募集の掲示物を出す(掲示物を出すには手数料等が掛かることが多いようですが、中には無料で掲示物を出せる学校もあるようです)
  • 雇用中のアルバイトの方から紹介を受ける

求人情報に「外国人限定」等の文言を入れたことにより、日本人に対する逆差別として捉えられてしまったというケースもあるようですので、求人の内容には十分に注意を払う必要があります。

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「特定活動46号」

「特定活動46号」レーダー

「特定活動46号」ビザとは、簡単に言えば日本の大学・大学院を卒業した日本語が堪能な外国人が、大学・大学院で修得した知識や応用力等を活かして日本で働くことができるビザのことです。

ちなみに、「技術・人文知識・国際業務」「留学生」といった外国人が日本で従事する活動がある程度わかりやすいものに対して、活動の内容が特殊であったり一言で言い表せないものだったりする場合に、法務大臣が個々のケースに合わせて特別に作るいわゆるオーダーメイド的なビザのことを「特定活動」ビザと言います。

2022年6月現在、特定活動は46号だけでなく、1号~50号まで(一部は削除済み)存在します。46号以外の特定活動ビザの詳細については、次のリンクのページをご参照ください。

参照:出入国在留管理庁『出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件』

上記のレーダーチャートは、在留資格・許可制度の特徴や在留資格・許可を得るための要件等から当事務所が独自に算出したデータによるものであり、実際の人財は必ずしもこの特徴・傾向に該当するとは限りません。有している在留資格・許可の種類のみによって人財の人間性等を判断せずに一人一人とよく会話をし向き合わなければ、その人の本来の良さはわからないということに留意する必要があります。

「特定活動46号」人財の特徴

「特定活動46号」ビザを有する外国人は、日本語による意思疎通が問題なく行えることから教育や業務上の連携がし易く、また大学や大学院で身に着けた高度な知識を活かして事業に貢献してくれる期待度が高いと言えます。

その理由として、「特定活動46号」ビザを取得するためには次の要件を満たしている必要があることが挙げられます。

  • 日本の大学または大学院の課程を修了し、学位を授与されていること (短期大学及び専修学校は対象外)
  • 高い日本語能力を有していること (日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を有している、または有していなくともそれと同等の日本語能力がある)

上記の通り、「日本の」大学・大学院を卒業していることが要件となっているので、学生生活を通して日本の文化を十分に理解しており、マナーや常識といった抽象的な部分でも雇用者との間で軋轢が生まれにくいというメリットが享受できる可能性も高いと言えるでしょう。

任せることができる業務の内容

「特定活動46号」ビザを有する外国人が従事できる業務の内容は、「技術・人文知識・国際業務」とほとんど変わらないと考えて差し支えません。つまりは、いわゆるホワイトワーカー的な業務を任せる必要があるということになります。

出入国在留管理庁が発行した『留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン』によれば、次の条件を満たす業務に従事する必要があります。

業務内容に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、又は、今後当該業務に従事することが見込まれること

引用:出入国在留管理庁『留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン』

給与額

「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」ビザの場合と同様、日本人が従事する場合に受ける給与と同等額以上でなくてはいけません。

これは法務省告示にて規定されている明確なルールです。

在留期間

「特定活動46号」ビザの在留期間は、5年、3年、1年、6か月または3か月のいずれかです。

原則として、「留学」ビザから「特定活動46号」ビザへの変更をする際と、初回のビザ延長の際に付与される在留期間は1年となります。

「特定活動46号」ビザの更新は何度でもでき、通算滞在期間の上限も設けられていません。

関連記事:在留期間更新許可申請

「特定活動46号」人財の探し方

上述の通り、「特定活動46号」ビザを得るためには日本の大学または大学院を卒業しなければいけません。

これに鑑みると、効率的な採用戦略として大学・大学院での求人掲載が挙げられます。

一番大切なのは個々人の人間性をよく理解すること

外国人を雇用する際にターゲットとされる主な4つのビザ(在留資格)・許可について解説しましたが、一番大切なことは雇用しようとしている外国人がどのような考えや人間性を持っているのか、雇用した場合に真面目に業務に取り組んでくれるのかを会話を通してよく知ることです。

有しているビザ・許可によって多少の傾向のようなものは見られますが、人間性はビザ・許可で決まるわけではありません。

例え「うちの会社にピッタリだ!」と思われるビザ・許可を有する外国人を晴れて雇用できたとしても、いざ蓋を開けてみたら会社の風土との相性が悪かったり、我々日本人から見たら勤勉とは言い難い勤務態度で業務に取り組む人であることがわかったり(文化の違いが原因の場合もあります)と、雇用が上手くいかないことも往々にしてあります。

このような事態を回避するためにも、外国人を雇用する際の最後の決め手として「この人と一緒に働きたいか」という観点を大切にすべきであると言えるでしょう。

このページをご覧になって疑問に思ったことやもっと詳細に解説してほしいこと等がございましたら、ぜひお問い合わせください。

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