パスポート

ビザ(査証)とは?

申請手順 / 査証(ビザ)の役割 / 査証の種類 / 査証発給の条件

1. はじめに

普段の生活の中で、ふとした時に「ビザが切れる」とか「ビザを取得する」とかいうことばを聞くことがあると思います。

なんとなくですが、『ビザ』といえば『外国人が日本に来たり日本に住んだりするのに必要なもの』というようなイメージがありますよね。

しかし、実は日本に来る外国人は必ずしもビザを持っている必要はないし、さらには『日本に住む』という行為自体には『ビザ』は必要が無いのです。

そう聞くと、「それじゃあビザっていったい何のために必要なの?」と疑問に思いますよね。

そこで、この記事では「ビザとは一体何なのか?」という基本的な情報や、ビザの取得方法ビザの発給が許可される基準等について解説していきます!

2. ビザ(VISA)とは?

まずは、『ビザ』とはどのようなものなのかを簡単に解説していきます。

最初にご説明したいのは、『ビザ』とは『査証』ということばの別の呼称だということです。

どちらの呼称を使っても特に問題は無いのですが、入管法を始めとする法律の中では『査証』という呼称が使用されているので、この記事でも基本的には『査証』で統一させて頂きます。

査証(さしょう)/ビザ(びざ)【visa】

国家が自国民以外に対して、その人物の所持する旅券が有効であり、かつその人物が入国しても差し支えないと示す証書。査証審査が終了すると、パスポート上に張り付けられる。

ビザ・帰化関連用語集

さて、査証とは簡潔に言えば上記の説明の通りのものなのですが、さらに噛み砕くと下記のような説明になります。

  • 日本が外国人に対して発給するもの。
  • 外国人が持っているパスポートが有効なものであり、なおかつ「その外国人が日本に入っても問題ありませんよ」というお墨付きを与える証明書のようなもの。
  • 査証はパスポートにシールをペタッと張り付ける形で発給される。

ポイントは、査証は『その外国人が日本に入っても問題ない』ということを示すものであって、『その外国人が日本に滞在すること』を許可するような役割を持っていないということです。

つまり、査証は基本的には外国人が日本に入国したタイミングでその役目を終えることとなり、それ以降はどの手続きにおいてももう登場しないのです。

ちなみに…

一般的に「ビザが切れる」、「ビザを更新する」等の表現が用いられることが間々ありますが、ここで言う「ビザ」は正確には「在留資格」を指すものです。
上述の通り、査証(ビザ)自体は日本への入国が済んだら役目が終了し、『外国人が合法に日本に入国し在留している』ということを証明する役割を在留資格に譲ることとなります。

つまりは、切れてしまったり更新をしたりするのは査証(ビザ)ではなく、正確には在留資格なのです!

3. 査証の役割

上述したとおり、査証は基本的には外国人が日本に入国したタイミングでその役目を終えることとなるとご説明しました。

これをさらに正確に説明すると『査証は上陸審査のために用いるものである』という言い方になります。

上陸審査とは、日本に上陸しようとしている外国人が下記の要件(入管法7条1項1~4号)を満足しているか否かを審査し、上陸の可否を決定するものです。

1号:旅券及び査証が有効であること

2号:活動の非虚偽性、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性があること

3号:在留期間適合性があること

4号:上陸拒否事由非該当性があること

上記の通り、上陸審査においては主に4つの要件が審査されます。

そして、査証は上記2号の要件を満足していることを証明するために提示する必要があるものなのです。

1号の要件を満足していることを証明し終えたら査証の役割はここで終了となり、上陸許可がされた時点で査証は使用済みとなります。

ちなみに…

査証を管轄しているのは外務省、上陸審査を管轄しているのは法務省です。

上陸審査と査証とが異なる省によって管轄されている都合上、『査証は発給されているのに、2号の要件を満たしていないと判断されるケース』も発生することがあるので、注意が必要です。

4. 査証の種類

査証にはたくさんの種類があるのですが、下記の通り全ての種類の査証は目的別に応じて下記の通り3つに大別されています

そして、渡航目的ごとに査証申請手続の内容にも細かな違いが存在しています

4-1. 短期滞在が目的の査証

『短期滞在』に該当するのは、日本に短期間(90日以内)滞在して、例えば観光、知人・友人の訪問、会議・商談、アマチュア競技会への参加等を行う場合等です。

この区分には、「短期滞在」査証が該当します。

4-2. 就労又は長期滞在が目的の査証

『就労』に該当するのは、日本企業への就職、外国語講師としての教育活動を目的とする場合等です。

『長期滞在』に該当するのは、留学等を目的とする場合や、『日本人の配偶者等』等の身分又は地位により日本での滞在が認められる場合等です。

この区分には、下記の通りさらに小さな区分が存在し、それぞれの小区分の下に各種査証が属しています。

小区分査証の種類
高度専門職
ビザ
「高度専門職1号イ、ロ及びハ」「高度人材」
就業ビザ「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文・知識」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「特定技能」「技能実習」
一般ビザ「文化活動」「留学」「研修」「家族滞在」
特定ビザ「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者」「定住者」「特定活動」
起業
(スタートアップ)ビザ
「起業」
外交ビザ「外交」
公用ビザ「公用」

4-3. 治療等を受けることが目的の査証

『治療等を受けること』に該当するのは、日本において治療等を受けることを目的とする場合や、治療を受ける本人に同伴することを目的とする場合等です。

この区分には、「医療滞在」査証が該当します。

5. 就労・長期滞在査証の申請手順

上述の通り、全ての査証は渡航目的に応じて3つに大別されますが、3つの区分とも、査証発給における基本的な手続の流れ自体はおおよそ共通しています

下のチャートは 就労・長期滞在査証の申請手順を示したものです。

就労・長期滞在査証の申請手順

『ビザ・帰化関連情報 / 日本に在留するための手順』にて解説したように、申請人本人が在外公館(各国にある日本国大使館等のこと)に対して発給申請を行う必要があるという点も3つの区分に共通しています。

なお、上記のチャート内に示した通り、査証を無事受領した後には、査証発給の翌日から起算して3か月の間に日本に入国しなければなりません。

この期限を超過すると、発給された査証は期限切れとなり、その効力が失われてしまいます。

ちなみに…

3つの区分とも手続の流れは共通である一方、提出書類については3つの区分ごとに異なっています。査証発給申請に必要な提出書類の詳細については、下記の関連記事をご覧ください。


関連記事:ビザ・帰化関連情報 / 査証発給申請に必要な提出書類

6. 査証の原則的発給基準

申請人が査証発給申請をすると、外務省による査証審査が始まります。

この査証審査において考慮される事項、言い換えると『査証の発給要件』は、外務省が『ビザの原則的発給基準(平成27年5月21日)』という名目で公にしており、全てで5つあります

6-1. 査証発給の5つの要件

  1. 申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
  2. 申請に係る提出書類が適正なものであること。
  3. 申請人が日本において行おうとする活動又は申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)に定める在留資格及び在留期間に適合すること。
  4. 申請人が入管法第5条第1項各号(『上陸拒否事由』)のいずれにも該当しないこと。
  5. 査証発給が適当と判断されること。

6-2. 『ビザの原則的発給基準』に関する注意点

上記の通り、査証発給の5つの要件が外務省によって公にされていますが、注意しなければならないことが一点あります

それは、上記5つの要件以外の細かな基準や事務処理手続が公にされていないということです。

これはつまりは、査証発給申請に対する審査については、外務省(外務大臣)の持つ裁量権*の幅が非常に広くなっているということを意味します。

*裁量権:自らの判断で物事を決定できる権利のこと。

さらには、仮に査証発給申請が拒否されたとしても、その拒否という行政行為に対して不服申立て等の手段を取ることはできません

よって、査証発給申請が拒否されてしまった場合、原則としてその時点から6か月の期間が経過して再申請ができるようになるまで、何もできずに待つことしかできなくなってしまうのです。

このような事情があるので、査証の発給に関して不安がある場合には、申請をする前に専門家に相談をした方がいい場合もあります。

ちなみに…

上記の通り、査証手続においては外務大臣に広範な裁量権が認められており、かつ、審査の結果には不服申立てができません。

この根拠はそれぞれ、行政手続法という法律と行政不服審査法という法律に示されています。

7. 査証免除国・地域

『3. 査証の役割』でご説明した通り、入管法7条1項1号には上陸審査の許可要件として査証の提示が含まれています

しかし、一部の国や地域の国民や住民は、「短期滞在」を目的として日本に入国する場合に限り、基本的には査証を提示する必要がありません

この一部の国や地域のことを『査証免除国・地域』と言い、下記の国及び地域がこの査証免除国・地域に該当します。

アジア
インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、ブルネイ、韓国、台湾、香港、マカオ

北米
米国、カナダ

中南米
アルゼンチン、ウルグアイ、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、スリナム、チリ、ドニミカ共和国、バハマ、バルバドス、ホンジュラス、メキシコ

大洋州
オーストラリア、ニュージーランド

中東
アラブ首長国連邦、イスラエルトルコ

アフリカ
チュニジア、モーリシャス、レソト

欧州
アイスランド、アイルランド、アンドラ、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、北マケドニア、マルタ、モナコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、英国

7-1. 査証免除国・地域に関する注意事項

「短期滞在」以外の在留目的の場合は査証の提示が必要

査証の提示が免除されるのは、「短期滞在」の場合のみです。

「短期滞在」以外の在留資格で日本に在留する場合には、査証免除国・地域の国民・住民であっても査証の提示が必要となるので、注意する必要があります。

新型コロナウイルス感染症に対する水際対策

令和3年6月7日現在、新型コロナウィルス感染症に対する水際対策のため、下記の国・地域を除き、査証免除措置が停止されています

米国、カナダ、チリ、トルコ、モーリシャス、セルビア、北マケドニア

8. まとめ

今回は査証について解説を致しましたがいかがでしたか?

多くの場合、査証の発給申請は外国人の方にっとて避けては通れないプロセスとなると思います。

上述した通り、査証申請が一度拒否されてしまうと原則として6か月の期間を置かなければ再申請ができないという厳しい制度が敷かれていますので、当記事を始めとする諸情報を有効活用し、万全の態勢で申請に臨むことをお勧め致します。

また、このページをご覧になって疑問に思ったことやもっと詳細に解説してほしいこと等がございましたら、ぜひお問い合わせください。

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