
通常再入国許可とみなし再入国許可
再入国許可の要件 / 再入国許可の延長 / 再入国許可の取消制度
目次
1. はじめに

無事に日本に入国し在留資格を得て日本での在留を開始した外国人の方でも、用事があって日本国外に出なければならない機会があるかもしれません。
そのような場合に受けることが推奨されているのが『再入国許可』です。
この許可を受けることでいくつかのメリットを享受できる反面、許可申請をすることなく日本国外に出てしまった場合にはかなりのデメリットが発生することになりますので、日本に在留中の外国人の方は、再入国許可について十分に調べた上で出国する必要があります。

2. 再入国許可の種類

再入国許可には大きく分けて2つの種類があります。
1つは通常再入国許可、そしてもう1つはみなし再入国許可です。
そして、通常再入国許可は、さらに1回の再入国に限り有効(使い切り)なものと、有効期間内であれば何度でも使用可能な数次再入国許可に分けられます。
- 通常再入国許可(使い切りの再入国許可、数次再入国許可)
- みなし再入国許可
2-1. 通常再入国許可とみなし再入国許可の対象者
上述の通り、再入国許可は通常再入国許可とみなし再入国許可に大きく分けられますが、基本的にはそれぞれ下記のように対象者が決まっています。
- 通常再入国許可
在留資格をもって在留している者 - みなし再入国許可
出国の日から1年以内に再入国する者で、なおかつ3か月以下の在留期間を決定された者及び「短期滞在」の在留資格をもって在留する者以外の者
ちなみに…
みなし再入国許可を受けるためには特段申請を行う必要はなく、出国の際に入国審査官に対してみなし再入国許可による出国を希望する意図を表明するのみとなります。
みなし再入国許可を受けるにあたっての手続がこのように簡便なのは、(極簡単に言えば)みなし再入国という制度が『長めの在留資格をもって日本に在留している外国人には、ある程度自由に日本と外国との往来を認めた方が便利だろう』という考えに基づいているからです。

3. 再入国許可の必要性

結論から申し上げると、日本に在留している外国人の方は、再入国許可を受けなくても日本から出国することは法律上可能です。この場合、罰則もありません。
しかし、日本から出国した後も再び日本に帰ってきて日本での在留を続けたいのであれば、法律上不要とはいえ、再入国許可を受けることは実質的には必須と言っても過言ではありません。
上述の通り再入国許可無く出国しても罰則はありませんが、下で解説する通りそのデメリットはかなり強力なものなので、あえて許可を受けずに出国することは選択肢から排除した方が良いと言えるでしょう。
3-1. 再入国許可を受けるメリット
再入国する際に査証(ビザ)が免除され入国審査が楽になる
通常、外国人が日本に入国する際には査証(ビザ)の発給を受けていることが条件となります。これは、元々日本に在留していた外国人が一時的に日本国外に出て、再度日本に帰ってくる場合も同様です。
しかし、日本を出国する前にあらかじめ再入国許可を受けている場合には、入管法第6条にて述べられている通り、この査証を受けているという条件が免除されることとなります。
つまり、『ビザ(VISA)とは?』のページで解説したような査証発給申請手続を再度経ることなく日本に入国することができるというメリットを享受できるのです。
また、通常であれば外国人が日本に入国する際には、入国審査官による上陸審査を受けなければなりません。上陸審査においては、主に入管法第7条1項1~4号に定める下記の4つの要件に適合して初めて日本への入国が認められることとなります。
- 1号:有効な旅券及び査証を有していること
- 2号:上陸許可基準に適合していること
- 3号:上陸の申請の際に提示した滞在予定期間が在留資格に適合していること
- 4号:上陸拒否事由に該当しないこと
しかし、再入国許可を受けて日本に再入国しようとしている外国人については、上記の要件のうち2号と3号が免除されます。
つまり、適合すべき要件が上記の3号のみ(イレギュラーなケースでは2号も)となるので、より簡略的な手続で日本に入国することができるようになるのです。
日本から出国している間も在留資格と日本での在留期間が継続しているものとみなされる

通常であれば、外国人が日本に入国する際には在留資格と在留期間が付与されます。
しかし、再入国許可をもって日本に再入国する際には新たに在留資格と在留期間が付与されるのではなく、出国前に有していた在留資格と在留期間が継続しているものとみなされます。
これは、外国人が「永住者」の在留資格を得るにあたってはとても重要なことです。
『永住許可の要件』のページで解説した通り、「永住者」の在留資格を得るためには『日本継続在留要件』に適合する必要があり、これはつまりは『(基本的には)日本に継続して10年在留していなければならない』と言い換えられます。
仮に再入国許可を受けることなく日本を出国した場合には、再入国する際に新たな在留資格と在留期間が付与されることとなり、出国前の在留履歴とはまた別個の在留が始まるとして、またゼロから10年間の継続在留期間を積み上げていくことになってしまいます。
3-2. 再入国許可を受けないデメリット
再入国する際の入国審査が、新規入国の場合と同じになる
メリットとして上述した内容と重複しますが、再入国許可を受けずに出国した場合、再入国する際には新規の入国と同様に上陸審査において下記4つすべての要件に適合する必要が生じてしまいます。
- 1号:有効な旅券及び査証を有していること
- 2号:上陸許可基準に適合していること
- 3号:上陸の申請の際に提示した滞在予定期間が在留資格に適合していること
- 4号:上陸拒否事由に該当しないこと
これは、言い換えれば『日本に在留するための手順』のページで解説したような、在留資格認定証明書の取得や査証の発給手続等の煩雑な手続を1からやり直さなければならないということです。
このように、再入国許可を受けないままに出国すると、再度日本での在留を開始するためにかなりの手間を割く必要が生じることとなってしまうのです。
日本での在留が継続していなかったとして扱われる
こちらも上述した内容と重複しますが、再入国許可を受けないままに出国してしまうと、元々有していた在留資格が消滅し、継続して日本に在留していたという履歴もそこで終了します。
例えば日本から出国するまで9年間継続して日本に在留していたとしても、出国した時点でその9年の継続在留履歴は一旦終了し、仮に正規の手続を踏んで日本に再入国したとしても、再び1年目から継続在留履歴を積み重ねていくこととなってしまいます。

4. 再入国許可の要件

同じ再入国許可でも、通常再入国とみなし再入国とでは要件が異なります。
詳細は、下記のとおりです。
4-1. 通常再入国許可の要件
通常再入国許可の要件は次の通りです。
- ①正規の在留者で相当期間日本に在留する者であること
- ②在留期間(在留期間の定めのない者については日本に在留し得る期間)の満了日以前に日本に再び入国する意図をもって出国しようとしていること
①正規の在留者で相当期間日本に在留する者であること
まず①については、要件中に『正規の在留者』と明記されていることから、下記のような『正規の在留者でない者』は通常再入国許可の対象外となります。
- 不法残留者や不法在留者(仮放免中の者を含む)
- 仮上陸の許可を受けている者
- 寄港地上陸の許可を受けている者
- 遭難による上陸の許可を受けている者
- 乗員上陸の許可を受けている者
- 緊急上陸の許可を受けている者
- 遭難による上陸の許可を受けている者
②在留期間(在留期間の定めのない者については日本に在留し得る期間)の満了日以前に日本に再び入国する意図をもって出国しようとしていること
次に②については、噛み砕いて言えば『在留期間が切れる前に日本に帰ってくるつもりであること』という意味です。
なお、外国人が一時出国中に在留期間が切れてしまった場合は、原則としてその外国人の在留資格は消滅し、再度査証の発給から在留資格の取得までの手続をしなければ日本に帰ってくることができません。
ちなみに…
数次再入国については、上記①②の要件の他に、『法務大臣が、数次再入国を許可する相当の理由があると認めること』という要件があります。
この要件は少々漠然としていますが、『相当の理由』があるか判断するにあたって、申請人の在留活動の状況や数次再入国許可の必要性、その他諸事情が考慮されるものだと言われています。
4-2. みなし再入国許可の要件
みなし再入国許可の要件は次の通りです。
- ①在留資格を有する外国人であること
- ②有効な旅券(中長期在留者は、旅券に加えて在留カード)を所持していること
- ③3か月以下の在留期間を決定された者でも「短期滞在」の在留資格を有している者でもないこと
- ④出国の日から1年以内(特別永住者にあっては2年以内)に再入国すること
なお、ここでは『許可要件』として上記の4つの要件を挙げていますが、厳密に言えばみなし再入国許可については申請をして許可を受けるようなプロセスはありません。
上記4つの要件に適合しているという事実がある状態で、日本から出国する際に再入国出国記録(再入国EDカード)という書類(空港でもらえます)のみなし再入国許可を希望するというチェック欄にチェックを入れて入国審査官に提示するだけで必要な手続は完了します。
また、次のいずれかに該当する者は、みなし再入国許可の対象外となります。
- 在留資格取消手続に係る意見聴取通知書の送達(通知)を受けた者
- 出国確認の留保対象者
- 収容令書の発布を受けている者
- 難民認定申請(不服申立てを含む)中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
- 日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可(= 通常再入国許可のこと)を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者

5. 再入国許可の期間とその延長

下の表は、再入国許可の期間をまとめたものです。
| 許可の種別 | 原則期間 | 延長 |
| 通常再入国許可(使い切り) | 再入国許可がされた日から5年を超えない範囲 (特別永住者は6年) | 1年を超えず、かつ、再入国許可がされた日から6年を超えない範囲まで可能 (特別永住者は7年) |
| 通常再入国許可(数次) | 再入国許可がされた日から5年を超えない範囲 (特別永住者は6年) | 1年を超えず、かつ、再入国許可がされた日から6年を超えない範囲まで可能 (特別永住者は7年) |
| みなし再入国許可 | 出国の日から1年 (特別永住者は2年) | 原則、延長は不可能 |
通常再入国許可の期間は、上の表にある通り『再入国許可がされた日から5年を超えない範囲(特別永住者は6年)』です
しかし、再入国許可を得ていざ日本国外に出た後になって、思わぬトラブルが発生して再入国許可された期間内に日本に戻ることが困難になってしまうというケースもあり得なくはないでしょう。
そのような場合には、再入国許可の期間の延長許可を申請することができます。
表内に示した通り、通常再入国については、条件はありますが期間の延長が可能です。
一方、みなし再入国許可については、どのような理由があろうとも期間の延長は不可となっています。
5-1. 再入国許可の期間の延長の申請
再入国許可の期間の延長の申請は、申請人が滞在している国の日本国領事館等に対して行います。
日本国内で再入国許可の期間の延長の申請を行うことは不可となっています。
再入国許可の期間の延長は『再入国期間内に再入国することができない相当の理由がある場合』に限り許可されます。
ここに言う『相当の理由』とは、例えば次のようなものを指します。
- 疾病
- 負傷
- 輸送機関の運行停止
上に挙げたようないわば『どうしようもない状況』に陥ってしまった場合には、再入国許可の期間の延長が認められる可能性があります。
ちなみに…
再入国許可の延長に回数の制限はありません。
ただし、1回の延長は1年を超えることができず、かつ、再入国許可がされた日から6年(特別永住者は7年)を超えない範囲に限られます。

6. 通常再入国許可の取消制度

通常再入国許可を無事に受けることができた場合にも、その許可が事後的に取り消されてしまうこともあります。
入管法第26条第7項では、この『再入国許可の取消制度』について次のように規定されています(わかりやすいように要件に番号を振っていますが、元の条文には番号は振られていません)。
入管法第26条第7項
出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けている外国人に対し、
入管法第26条第7項
①引き続き当該許可を与えておくことが適当でないと認める場合には、
②その者が本邦にある間において、
当該許可を取り消すことができる。
①引き続き当該許可を与えておくことが適当でないと認める場合
『引き続き当該許可を与えておくことが適当でないと認める場合』とは少々漠然とした要件のように思われますが、一般的には次のような事項について法務大臣が勘案した上で引続き再入国許可を与えておくことの妥当性を判断すると言われています。
- 再入国を許可した外国人の出入国の状況
- 再入国を許可した外国人の在留の状況
- 再入国を許可した外国人の海外での行動
上記のような一般的に認識されている指標はあるものの、これらはあくまでも一般的に言われているものであって、出入国在留管理庁が公式に発表しているものではありません。
このように、再入国許可の取消判断については明確な指標が公にされていない都合上、取消をするか否かの判断は法務大臣の広い裁量に委ねられているというのが現状です。
②その者(再入国の許可を受けている外国人)が本邦にある間
『その者(再入国の許可を受けている外国人)が本邦にある間』というのは、つまりは『外国人が日本を出国する前に限り』という意味です。
言い換えれば、外国人が日本から出国してしまった後は、その外国人が受けている再入国許可の取消は不可となっているのです。
仮に外国人が再入国許可を受けて日本を出国した後に再入国許可が取り消されてしまった場合には、その外国人に次のような不都合が発生することが想定されます。
- 元々有していた在留資格が消滅する。また、継続在留が途切れることとなり、永住許可申請にも負の影響が出る。
- 新たに査証の発給を受け、その後、入国審査を通過しなければ日本に再度入国することができない。
- 新たに査証の発給を受けるまでは、出国先での生活を余儀なくされる。
- 無事、新たに査証の発給を受け、入国審査を通過するまでは、日本国内の住居や家財などに干渉することが極めて困難になる。また、日本で就業していた場合には、日本に帰国できないという理由から職を失う恐れもある。
上記のように、出国先で日本への再入国許可を取り消されてしまうと、外国人に必要以上の不利益がもたらされることとなります。
しかし、必要以上の不利益を与えることは入管法の目的である『公正な出入国管理』とは矛盾することになります。
このような理由から、再入国許可の取消ができるタイミングは『日本から出国する前』に限定されているのです。

7. まとめ
今回は通常再入国許可とみなし再入国許可について解説をしました。
通常再入国許可とみなし再入国許可について、特に重要なことは次の通りです。
- 再入国許可を受けることは義務ではないが、受けないで日本を出国した場合のデメリットが重大なので再入国許可を受けることは実質的に必須。
- 通常再入国許可は延長が可能だが、みなし再入国許可の延長は不可。
- 再入国許可がないままに日本を出国すると、それまでの継続在留期間が消滅してしまう。
日本を一時的に離れる予定の外国人の方には、是非ともこれらの事項に留意して出国の準備を進めて頂けたらと思います。
また、このページをご覧になって疑問に思ったことやもっと詳細に解説してほしいこと等がございましたら、ぜひお問い合わせをお願い致します。
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