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永住許可申請に必要な提出書類

申請人の3つの分類 / 申請人の分類に応じた提出書類

1. はじめに

日本_パスポート_地図

『「永住者」の在留資格』のページでお話しした通り、「永住者」の在留資格を得るためには、基本的には他の在留資格から「永住者」の在留資格へと変更許可を受ける、つまりは永住許可を受けるしか方法がありません。

永住許可申請(「永住者」の在留資格への変更許可申請)の際に提出しなければならない書類の数は、決して少なくはありません。

さらには、提出しなければならない書類の種類は、申請人ごとに微妙に異なっているのです。

今回は、「申請人ごとにどのような書類を提出しなければならないのか?」という点について解説をしていきます。

2. 申請人の有する在留資格別の提出書類一覧

書類_サイン

上述の通り、永住許可申請(「永住者」の在留資格への変更許可申請)の際に提出しなければならない書類の種類は、申請人ごとに異なります

より詳細に言えば、下記の3つの分類のいずれの在留資格を有しているかによって提出する書類が異なっています。

  • ①「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」
  • ②「定住者」の在留資格
  • ③就労関係の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」等)または「家族滞在」の在留資格

下の表は、上記3つの在留資格の分類と各種書類の提出要否をまとめたものです。

なお、『○』は要提出『△』は要提出ではないが提出した方が良いということを示しています。

永住許可申請に必要な提出書類

2-1. 『提出しなければならない書類』と『提出した方がいい書類』

上の表に示す通り、提出しなければならない書類がある一方で、表中の次の3つの書類については、①から③の各分類によって提出の要否が異なっています

  • 永住許可を必要とする理由を記載した理由書
  • 申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料
  • 日本国への貢献等に係る資料

永住許可を必要とする理由を記載した理由書

外国人_家族
①の分類の申請人の場合

①の分類では、『永住許可を必要とする理由を記載した理由書』は提出しなくても問題はありません。

これは、①の分類の申請人が『既に日本に永住する権利を持っている者』の配偶者等(配偶者や子ども)であるという事実自体が、永住許可を必要とする理由である場合が大半だからだと思われます。

噛み砕いて言うと「日本人や日本に永住している人の妻・夫や子どもなら、日本で一緒に『永住』したいのは当然だよね」と考えるのが一般的であるということです。

②と③の分類の申請人の場合

②と③の分類では、『永住許可を必要とする理由を記載した理由書』の提出は必須です。

②と③の分類では特に身内に「永住者」の在留資格者が居るわけでもなく、①の場合のような『日本に永住したい理由』が一見して明らかとは言えない場合も多いため、理由書の提出が必須となっているのだと思われます。

申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料

お金_外国
①の分類の申請人の場合

①の分類では、『申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料』は提出しなくても問題はありません。

①の分類の申請人がこの書類を提出しなくとも問題ないのは、①の分類に含まれる「日本人の配偶者等」も「永住者の配偶者等」も、永住許可の際に適合しなければならない要件『国益適合要件』のみだからだと考えられます。

『永住許可の要件』のページで解説した通り、永住許可の要件は3つあり、①の分類に該当する者が適合すべき要件はその3つの要件のうち『国益適合要件』のみです。

そして、例え①の分類の者が生活をしていくための資産を有していなくとも、その事情のみをもって『国益適合要件』に該当しないと判断されることは通常はありません。

上記の事情から、①の分類の者自ら生活を営んでいくだけの金銭的余裕があることを明らかにする必要はないということになります。

よって①の分類の者が『申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料』を提出する必要もないとされているものだと考えられます。

②と③の分類の申請人の場合

②と③の分類では、『申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料』の提出は必須です。

②と③の分類の申請人がこの書類を提出しなければならないのは、②と③の分類の者が永住許可を受けるためには『独立生計要件』に該当する必要があるからです。

『独立生計要件』とは、噛み砕いて言えば『自分自身で生活を成り立たせるための能力があること』という要件のことです。

つまりは、申請人が十分な資産(貯金等)を有していることを証明できれば『独立生計要件』に適合すると判断する材料になり得るということです。

よって、②と③の分類の者は『資産を証明する資料』を提出しなければならないものだと考えられます。

日本国への貢献等に係る資料

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『日本国への貢献等に係る資料』とは、具体的には下記のようなものを指します。

  • 表彰状、感謝状、叙勲書等
  • 所属会社、大学、団体等の代表者等が作成した推薦状
  • その他、各分野において貢献があることに関する資料

『日本国への貢献等に係る資料』を提出することが可能であれば永住審査の際に審査担当者の心証が良くなる可能性があるので提出することが推奨されます。

しかし、『日本国への貢献等』を証明することは、永住許可の3つの要件(素行善良要件、独立生計要件、国益適合要件)のいずれにも該当しません。

よって、①から③の全ての分類において『日本国への貢献等に係る資料』は要提出とはなっておらず、あくまでも提出が推奨されるにとどまっています。

2-2. 各書類の詳細

ここからは、先程紹介した、3つの在留資格の分類と各種書類の提出要否をまとめた表の中に記載した各書類の詳細について解説をしていきます。

永住許可申請書

永住許可申請書として使用するのは、下記リンクのフォーマットです。

外部リンク:永住許可申請書(別記第三十四号様式)

申請書には、国籍、生年月日、氏名、旅券番号、現に有する在留資格等、申請人に関する基本的な情報の他、犯罪歴や勤務先情報等の永住審査に使用される重要な情報も記入しなければなりません。

なお、永住許可申請の取次は申請取次者が業として行うことができるので、永住許可申請書の最下部には取次者に関する情報を記入する欄が設けられています。

写真

永住許可申請書には、申請人の顔写真を添付しなければなりません。

なお、写真のサイズと写真内に写る申請人の顔の大きさについても寸法が指定されているので、写真を撮影する際には指定のサイズに収まるように注意する必要があります。

ちなみに…

・写真は申請書提出の日から3か月以内に撮影されたものでなければなりません。

・申請人が16歳未満の場合は写真の添付は不要です。

関連記事:ビザ・帰化関連情報 / 『日本で生まれた子ども』の永住許可

身分関係を証明する資料

『身分関係を証明する資料』は、上述した3つの分類によって提出する書類が異なります

①の分類の申請人の場合
  • (1) 申請人が日本人の配偶者である場合
      配偶者の戸籍謄本
  • (2) 申請人が日本人の子である場合
      日本人親の戸籍謄本
  • (3) 申請人が永住者の配偶者である場合
      a. 配偶者との婚姻証明書
      b. 上記aに準ずる文書(申請人と配偶者との身分関係を証するもの)
  • (4) 申請人が永住者又は特別永住者の子である場合
      a. 出生証明書
      b. 上記aに準ずる文書(申請人と永住者又は特別永住者との身分関係を証するもの)
②と③の分類の申請人の場合

次のいずれかの資料
  (1) 戸籍謄本
  (2) 出生証明書
  (3) 婚姻証明書
  (4) 認知届の記載事項証明書
  (5) 上記(1)から(4)に準ずるもの

申請人を含む家族全員(世帯)の住民票

住民票については申請人のものだけではなく世帯全員分を提出する必要があります。

申請人又は申請人を扶養する者の職業を証明する資料

『申請人又は申請人を扶養する者の職業を証明する資料』については、下記の通り働き方によって提出する書類が異なります。

  • (1) 会社等に勤務している場合
      在職証明書
  • (2) 自営業等である場合
      a. 確定申告書控えの写し
      b. 営業許可書の写し(ある場合)
  • (3) その他の場合
      職業に係る説明書(書式自由)及びその立証資料

ちなみに…

『(3) その他の場合』で申請人及び配偶者共に無職の場合には、その旨を説明書に記載して提出します。

しかし、この場合は他に資産等がなければ永住許可の可能性が低くなることが予想されます。

直近の申請人又は申請人を扶養する者の所得及び納税状況を証明する資料

『直近の申請人又は申請人を扶養する者の所得及び納税状況を証明する資料』については、上述した3つの分類によって提出する書類の内容に差異はありません。

しかし、何年分の書類を提出するかという点には3つの分類によって差があり、①の分類の場合は過去1年分②と③の分類の場合は過去3年分の下記のいずれかの書類を提出する必要があります。

  • (1) 会社等に勤務している場合及び自営業等である場合
      住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
  • (2) その他の場合
      a. 次のいずれかで、所得を証明するもの
       (a) 預貯金通帳の写し
       (b) 上記(a)に準ずるもの
      b. 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)

旅券の写し

『旅券の写し』については、日本で出生した外国籍の子の場合とは異なり、必ず提出しなければなりません

なぜなら、永住許可申請とは言い換えれば『他の在留資格から「永住者」の在留資格への変更』であり、『他の在留資格』を有しているということは「旅券の発行が間に合わなくて写しが提出できない!」という状況が発生し得ないからです。

在留カード(表面及び裏面)の写し

『在留カードの写し』については、表面だけでなく裏面の分も提出しなければならないので注意が必要です。

身元保証に関する資料

『身元保証』とは、申請人に関して下記3つの項目について保証をすることです。

滞在費帰国旅費法令の遵守

上記の項目からもわかるように、身元保証とは言い換えれば『申請人の金銭関係及び素行について、私も責任を取ります』と宣言をすることです。

『身元保証に関する資料』としては、下記の書類を提出する必要があります。

(1) 身元保証書
  外部リンク:身元保証書(フォーマット)

(2) 身元保証人に係る次の資料
  a. 職業を証明する資料
  b. 直近(過去1年分)の所得証明書
  c. 住民票

ちなみに…

①の分類の場合は、通常は申請人の配偶者(または申請人の親)である日本人または永住者が身元保証人となります。
また、申請人が会社の設立等を目的として日本に滞在する等、日本に身元保証人になってくれる人がいない場合は、行政書士等が身元保証人を引き受けることもあります。

永住許可を必要とする理由を記載した理由書

上述した通り、①の分類の場合は提出は任意②と③の分類の場合は要提出となります。

申請人又は申請人を扶養する者の資産を証明する資料

上述した通り、①の分類の場合は提出は任意②と③の分類の場合は要提出となります。

日本国への貢献等に係る資料

上述した通り、①から③の全ての分類において提出は任意となります。

3. まとめ

今回は、申請人の分類ごとに必要とされる永住許可申請用の提出書類について解説をしました。

申請人の分類によっては提出しなくても良い書類もありますが、基本的にはそのような書類も提出しておいた方が審査において有利に働くことが多いと考えられます。

永住許可申請をする際には是非とも可能な限り多くの書類を準備するようにしましょう。

また、このページをご覧になって疑問に思ったことやもっと詳細に解説してほしいこと等がございましたら、ぜひお問い合わせをお願い致します。

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