
配偶者ビザの要件・審査で重要視されるポイント
法律に記載されている要件と、法律に記載されていない審査ポイント
目次
配偶者ビザの取得許可に必要な要素

『3つの主な配偶者ビザ』のページで解説した通り、配偶者ビザには多くの種類があり、その中でもメジャーなものとして挙げられるのは、次の3つです。
上記3つの配偶者ビザの取得許可を得るにあたり、必要な要素は次の通りです。
- 法律上の要件を満たしていること
- 入管の審査要領のツボを押さえること
このページでは、上記3つの配偶者ビザそれぞれにおいて満足すべき要件と、入管による審査で重要視される法律には明記されていないポイント(ツボ)について解説していきます。
各配偶者ビザの要件・審査で重要視されるポイント

以下、各配偶者ビザそれぞれの要件と、入管による審査で重要視される法律には明記されていないポイント(ツボ)について詳しく紹介していきます。
「日本人の配偶者等」
要件
① 日本人の配偶者であること
ここに言う「配偶者」と認められるためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 夫および妻の双方の国籍国において法的に夫婦関係にあること(内縁関係は法的な夫婦関係とは認められません)
- 日本において法的に認められる婚姻関係にあること
- 相手方の配偶者(= 日本人)が死亡していないこと
- 原則として、夫婦で同居し、共同生活を営んでいること
参考:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』
同性婚の場合、2022年7月現在では、残念ながら日本においてはまだ「法的に認められる婚姻関係」とは認められていません。
② (「短期滞在」ビザからの変更の場合)やむを得ない特別な事情があること
「短期滞在」ビザで日本に入国し、滞在期間中に配偶者ビザへと変更するためには、「やむを得ない特別な事情」があることが求められます。
「短期滞在」ビザで日本に入国し在留期間中に婚姻手続を済ませた場合や、既に婚姻関係にある状態で「短期滞在」ビザをもって日本に入国している場合等は、次のような規定に鑑み、「やむを得ない特別な事情」を有するものとして、配偶者ビザへの変更が認められる可能性があります。
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
出典:日本国憲法 第24条
1. 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。
2. 婚姻をすることができる年齢の男女が婚姻を
出典:市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約) 第23条
審査で重要視されるポイント
① 経費支弁能力があること
経費支弁能力とは、日本において婚姻生活を営むための十分な経済力のことを指します。具体的には、下記計算式の金額よりも年収が多いことが、経費支弁能力があるとして認められる一応の目安とされています。
(申請者本人の人数(1人) + 被扶養者の人数) × 780,000円
(参考:山脇康嗣『詳説 入管法の実務 -入管法令・内部審査基準・実務運用・裁判例-』)
② 申請人が日本において就業を予定している場合、その就業活動に従事することが立証できること
例えば、申請人が既に日本国内の企業等から就職内定を得ている場合には、雇用契約書の写しや、内定案内書等を提出することにより、これを立証することが考えられます。
③ 夫婦間で意思疎通がしっかりできること
これは、夫婦間の意思疎通に用いる共通言語について、夫婦の両者ともが問題なく扱えるレベルにあることを意味しています。
例えば、婚姻関係にあるにも関わらず、夫婦が共通して話すことができる言語がない場合や、共通して話すことができる言語があってもその言語で話す能力が著しく低い場合等には、申請がより慎重に審査されることとなる可能性が有ります。
④ 同居する住居の広さが十分であること
上述の通り、配偶者と認められるためには、原則として夫婦で同居している必要があります。
同居している住居が家族構成と照らし合わせて極端に狭い場合等には、同居の事実に疑いが掛かる可能性があります。
「永住者の配偶者等」
要件
① 永住者または特別永住者の配偶者であること
ここに言う「配偶者」と認められるためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 夫および妻の双方の国籍国において法的に夫婦関係にあること(内縁関係は法的な夫婦関係とは認められません)
- 日本において法的に認められる婚姻関係にあること
- 相手方の配偶者(= 永住者または特別永住者)が死亡していないこと
- 原則として、夫婦で同居し、共同生活を営んでいること
参考:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』
同性婚の場合、2022年7月現在では、残念ながら日本においてはまだ「法的に認められる婚姻関係」とは認められていません。
② (「短期滞在」ビザからの変更の場合)やむを得ない特別な事情があること
「短期滞在」ビザで日本に入国し、滞在期間中に配偶者ビザへと変更するためには、「やむを得ない特別な事情」があることが求められます。
「短期滞在」ビザで日本に入国し在留期間中に婚姻手続を済ませた場合や、既に婚姻関係にある状態で「短期滞在」ビザをもって日本に入国している場合等は、次のような規定に鑑み、「やむを得ない特別な事情」を有するものとして、配偶者ビザへの変更が認められる可能性があります。
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
出典:日本国憲法 第24条
1. 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。
2. 婚姻をすることができる年齢の男女が婚姻を
出典:市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約) 第23条
審査で重要視されるポイント
① 経費支弁能力があること
経費支弁能力とは、日本において婚姻生活を営むための十分な経済力のことを指します。具体的には、下記計算式の金額よりも年収が多いことが、経費支弁能力があるとして認められる一応の目安とされています。
(申請者本人の人数(1人) + 被扶養者の人数) × 780,000円
(参考:山脇康嗣『詳説 入管法の実務 -入管法令・内部審査基準・実務運用・裁判例-』)
② 申請人が日本において就業を予定している場合、その就業活動に従事することが立証できること
例えば、申請人が既に日本国内の企業等から就職内定を得ている場合には、雇用契約書の写しや、内定案内書等を提出することにより、これを立証することが考えられます。
③ 夫婦間で意思疎通がしっかりできること
これは、夫婦間の意思疎通に用いる共通言語について、夫婦の両者ともが問題なく扱えるレベルにあることを意味しています。
例えば、婚姻関係にあるにも関わらず、夫婦が共通して話すことができる言語がない場合や、共通して話すことができる言語があってもその言語で話す能力が著しく低い場合等には、申請がより慎重に審査されることとなる可能性が有ります。
④ 同居する住居の広さが十分であること
上述の通り、配偶者と認められるためには、原則として夫婦で同居している必要があります。
同居している住居が家族構成と照らし合わせて極端に狭い場合等には、同居の事実に疑いが掛かる可能性があります。
「家族滞在」
要件
① 次の在留資格(ビザ)を有して日本に在留する者の配偶者であること
「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「特定技能2号(1号は除く)」「文化活動」「留学」
なお、ここに言う「配偶者」と認められるためには、次の条件を満たしている必要があります。
- 夫および妻の双方の国籍国において法的に夫婦関係にあること(内縁関係は法的な夫婦関係とは認められません)
- 日本において法的に認められる婚姻関係にあること
- 相手方の配偶者が死亡していないこと
- 原則として、夫婦で同居し、共同生活を営んでいること
参考:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』
同性婚の場合、2022年7月現在では、残念ながら日本においてはまだ「法的に認められる婚姻関係」とは認められていません。
② 配偶者に扶養されていること
扶養の意味については、出入国在留管理庁が次のように定義しています。
「扶養を受ける」とは、扶養者が不要の意思を有し、かつ、扶養することが可能な資金的裏付けを有すると認められることをいう。
また、配偶者にあっては原則として同居を前提として扶養者に経済的に依存している状態(中略)のことをいい、経済的に独立している配偶者(中略)としての活動は含まない。
出典:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』
③ ①に挙げた在留資格を有して日本に在留している者の配偶者として行う日常的な活動に従事すること
「日常的な活動」には、教育機関において教育を受ける活動なども含まれますが、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動は含まれません(参考:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』)。
よって、「家族滞在」ビザをもって日本に滞在する外国人は、原則として就労活動に従事することができません。
ただし、資格外活動許可を受けている場合は、例外的に就労活動が認められます。
関連記事:資格外活動許可申請 – 要件、必要書類、罰則、労働時間の上限
審査で重要視されるポイント
「家族滞在」ビザの審査で重要視されるポイントは、およそ「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の場合と共通しています。以下、特に「家族滞在」ビザの審査で重要視されるポイントを紹介します。
① 扶養者の扶養意思と扶養能力
「家族滞在」の場合、「配偶者に扶養されていること」が要件のひとつとなっています。このことから、配偶者に申請者を扶養する意思や能力があるか否かが慎重に審査されることとなります。
特に、配偶者(扶養者)のビザが「留学」または「文化活動」である場合、配偶者は原則として日本で就労活動に従事することができないので、扶養能力を十分に審査されることとなります(参考:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』)。
また、扶養者が有している資産等(貯金等)、資格外活動(アルバイト)による収入、第三者からの金銭的援助等についても扶養能力として認められる旨、次のように規定されています。
扶養者の経費支弁能力と認める資産等は扶養能力と認めることとし、扶養者及び被扶養者が資格外活動許可の範囲内で行った就労活動(いわゆるアルバイト)による預貯金は扶養能力として認め、第三者による援助についても、援助の経緯等を勘案し、安定・継続して援助することが確実なものについて認めるものとする。
出典:出入国在留管理庁『入国・在留審査要領』
よくある質問
Q. 日本では婚姻手続を行いましたが、申請者の本国ではまだ婚姻手続を行っていません。配偶者ビザの取得は可能ですか?
A. 原則として、申請者の本国でも婚姻手続を行っていなければ配偶者ビザは取得できません。
ただし例外も存在します。
例えば、申請者が既に日本に滞在しており、なおかつ申請者の本国における婚姻手続を在日大使館・領事館で行えない場合等は、その事情を入管に対して説明することで、配偶者ビザの発給を受けることができることもあります。
(参考:濱川恭一、長谷部啓介『実務家のための100の実践事例で分かる入管手続き』)
Q. 1人暮らし向けの1Kマンションに居住しています。海外に居る配偶者に配偶者ビザを取得させて現在の住居に呼び寄せることは可能ですか?
A. 不可能とは言い切れませんが、ビザ申請に対する審査がより慎重に行われることとなることが予想されます。
これは、配偶者ビザを有する外国人は、原則として夫婦で同居することが求められることによります。
この要求を満足するにあたり、同居する予定の住居の間取りが1Kなど比較的狭い物件である場合、本当に同居をするのかという点について入管に疑問を持たれてしまう可能性があります。
このページをご覧になって疑問に思ったことやもっと詳細に解説してほしいこと等がございましたら、ぜひお問い合わせをお願い致します。
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